抗真菌薬の種類

真菌というのは、いわゆるカビのような生物を指しますが、きのこや酵母なども実はこの仲間に含まれています。ヒトの病気の原因となる生物として細菌が知られていますが、この真菌は細菌に似ていはいるものの、構造がさらに複雑です。
ヒトと細菌・真菌の違いとして、細菌や真菌は細胞を守るための頑丈な細胞壁と細胞膜をもっているのに対し、ヒトの細胞は細胞膜だけで細胞壁がないということが挙げられます。また、細菌と真菌の違いとしては、真菌が遺伝子を守るための核をもつのに対し、細菌にはそれがないということが挙げられます。
抗真菌薬というのは、このような細胞の特性を考慮しながら、病気をもたらす真菌だけを何らかの方法で死滅させため、増殖を抑制する効果をもった医薬品のことを総称して呼びます。皮膚病の塗り薬などとして用いられるニゾラールも、この抗真菌薬の一種となりますが、抗真菌薬にはその作用のメカニズムによって、いくつかの種類に分かれます。
1つ目として、真菌に存在する細胞膜を破壊するタイプがあります。ヒトの細胞の細胞膜は主にコレステロールという脂質でできているのに対し、真菌はこれと異なることから、真菌だけを死滅させることが可能なのです。
2つ目として、真菌の細胞壁をつくる成分の合成にかかわる酵素を阻害するタイプがあります。ヒト細胞には細胞壁がないため影響はありませんが、このような医薬品を投与されると、真菌には必須の細胞壁がつくれなくなってしまいます。
3つ目として、真菌が細胞膜をつくるときに必要となる成分の合成を阻害するタイプがあります。ニゾラールはその一種で、患部に塗布することによって、このはたらきにより真菌が増殖できなくなります。なお、ニゾラールの有効成分はフケ、かゆみ防止のための男性用シャンプーに配合されることもあります。